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肝胆膵 11 慢性肝炎 chronic hepatitis

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→ 肝胆膵系 目次

Chapter 11 慢性肝炎 chronic hepatitis

典拠:Pathophysiology [17, p.344] ,
典拠:組織病理アトラス [82, p.124] ,
典拠: NIM 消化器病学 4 版 [60, p.416],
典拠:Diagnosis And Treatment In Gastroenterology [10, p.485] ,
典拠:標準病理学 [52, p.257]

概念

「6ヶ月以上肝臓に炎症が持続している病態」をいう。 慢性肝炎は急性肝炎と比較して、経過が長く、病理組織学的に後に不可逆的な変化を残す。リンパ球を主体とした線維化が進行する。

分類

  • 病理学的分類
    • 慢性ウイルス性肝炎
    • 自己免疫性肝炎
    • 薬剤性肝炎
  • 形態学的分類
    • chronic persistent hepatitis
    • chronic lobular hepatitis
    • chronic active hepatitis
      グリソン鞘へのリンパ球浸潤と壊死によって小葉構造が乱れる、 いわゆる限界板の破壊と piecemeal necrosis が見られる。さらに Kupfer細胞の動員が著明で、小葉内への細胞浸潤と肝細胞の変性・ 壊死が強い。

病理組織

門脈域に接した肝小葉に細胞障害性T細胞を中心とした円形細胞が浸潤し、 同時に膠原線維の増殖が見られる。

  • 門脈域を中心とした持続性の炎症
  • グリソン鞘へのリンパ球浸潤と線維化
  • 活動性の場合は
    • piecemeal necrosis
      門脈域に接した肝小葉とグリソン鞘の間がギザギザになり、その 近くの肝細胞が壊死に陥る。「門脈域の結合組織に接する肝細胞の破壊と、リンパ球あるいは形質細胞浸潤の両者がともに存在する状態」
    • bridging necrosis
      門脈域と中心静脈域を結ぶ線維束であり、肝壊死が陳旧化したもの。肝硬変への進展を示す。
    • 限界板の破壊

治療

  • 肝保護液
    糖質コルチコイド様作用を持つグリチルリチン製剤で肝臓を保護する。
  • 抗ウイルス療法
    • HBV には INF-α
    • HCV には INF-αと INF-β
    • ステロイド離脱療法
      HBV の感染に対して、大量のステロイド剤を短期間に投与し、突然中止する。ステロイド剤には免疫抑制作用があるため投与中はウイルスの増殖が盛んになるが、投与の中止によって免疫が一気に活性化される。

11.1 慢性肝炎の組織診断基準

線維化の評価 staging

  • F0: 線維化なし
  • F1: 門脈域の繊維性拡大
  • F2: 繊維性架橋形成 bridging fibrosis
  • F3: 小葉の歪みを伴う繊維性架橋形成

活動性の評価 grading

活動性の評価は、piecemeal necrosis , 小葉内の細胞浸潤と肝細胞の変性お よび壊死で行なう。

  • A0: 壊死および炎症なし
    活動性なし。
  • A1: 軽度の壊死と炎症
  • A2: 中度の壊死と炎症
  • A3: 高度の壊死と炎症

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