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medical praxis - web版 医学ノート - 国家試験対策

学問の上で大いに忌むべきは、したり止めたりである。したり止めたりであれば、ついに成就することはない。

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肝胆膵 16 脂肪肝 fatty liver

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→ 肝胆膵系 目次

Chapter 16 脂肪肝 fatty liver

典拠:組織病理アトラス [82, p.114] ,
典拠:病理学 [52, p.360,p.349] ,
典拠:Harper [28, p.262] ,
典拠:Diagnosis And Treatment In Gastroenterology [10, p.527] ,
典拠:腹部画像診断学 1版 [89, p.7]

概念

肝臓は脂肪代謝の中心である。肝細胞に摂取された脂肪酸は酸化されて、一部は中性脂肪 (TG) となり、リン脂質・アポタンパクの供給を受けてリポタンパクとして血中に放出される。残りの中性脂肪は脂肪滴として肝細胞に貯蔵される。したがって過剰な脂肪の摂取は肝臓に中性脂肪の蓄積を招き、脂肪肝となる。悪化すると脂肪性の肝硬変へと発展する。ただし代謝性の脂肪肝は可逆性であり、肝不全を伴なうことは少ない。

原因

  • アルコール性脂肪肝
    アルコールを過剰摂取すると過剰なエタノールをアセトアルデヒドへ還元するが、この反応で NADH/NAD 比が増加する。するとクエン酸回路回転が鈍り、ひいては脂肪酸の酸化も滞り、かわって脂肪のエステル化が起こる。
  • 糖尿病性
    高インシュリン血症によって脂肪が過剰に産生されると、血中の遊離脂肪酸も増加する。遊離脂肪酸は肝臓に取り込まれてエステル化される が、VLDLによる搬出が間に合わないと脂肪滴として肝臓に蓄積する。
  • 低栄養状態
    • クワシオルコール kwashiorkor
  • 過栄養性脂肪肝
    アルコール性脂肪肝と異なり、AST/ALT比は上昇しない。
    • 肥満
  • ステロイド剤服用
  • 急性妊娠脂肪肝
  • Reye 症候群
    ミトコンドリア障害によって肝臓での脂肪酸酸化が低下し、脂肪沈着を生じる。

病態生理

  • 血中の遊離脂肪酸の増加
  • リポタンパク合成の阻害
    脂質を肝臓外へ搬送できなくなり、肝臓内に脂肪が蓄積する。

検査所見

  • 腹部エコー
    • bright liver
      肝実質が高エコーを呈する。
      • 肝腎コントラスト 脂肪の沈着により肝臓の輝度が増し、腎臓とのコントラスト が明瞭になる所見である。
      • 深部エコーの減衰
    • 肝内脈管の不明瞭像
  • 腹部単純 CT 所見
    肝臓は全体的に腫大し、脂肪の沈着により肝臓が全体的に低吸収域に 映る。
  • コリンエステラーゼ高値
    ただしアルコール性脂肪肝では正常値にとどまる。
  • 血清中性脂肪高値

病理所見

病理学的には肝臓の脂肪化が高度で、小葉全体に及んだものを脂肪肝という。

16.1 過栄養性脂肪肝

原因

  • 肥満

検査所見

アルコール性脂肪肝と異なり、AST/ALT 比は上昇しない。むしろALT優位となる。

  • ChE上昇

治療

  • 食事療法
    カロリー摂取制限を行なう。

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