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肝胆膵 18 薬剤性肝障害 drug-induced hepatocellular injury

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→ 肝胆膵系 目次

Chapter 18 薬剤性肝障害 drug-induced hepatocellular injury

典拠:Lange: Basic Clinical Pharmacology. 8ed [24, p.56] ,
典拠:CMDT2003 [26, p.637],
典拠:Diagnosis And Treatment In Gastroenterology [10, p.576] ,
典拠:NIM 消化器病学 4版 [60, p.494]

概念

薬剤が原因となる肝障害をいう。

分類

アレルギー性機序により起こる薬剤過敏性肝障害と、肝毒性機序により起こる薬剤中毒性肝障害に大別される。前者は過敏性機序であり肝障害を予知できないが、後者は用量依存性であり、肝障害を予知できる。

  • 中毒性薬剤性肝障害
    P450 によって生じた薬物の代謝産物の直接作用によるものであり、投与から発病までの期間が短い。用量依存性であり、肝障害の予知が可能である。テトラサイクリン・アセトアミノフェン・メトトレキセートなどが原因薬剤として代表的である。
  • アレルギー性薬剤性肝障害
    薬剤の代謝産物が高分子化合物と結合することで抗原性を獲得し、それに対してアレルギー反応が起きる。用量に依存せず、予知が困難である。
    • 肝細胞障害型, 肝炎型, 肝壊死型
    • 胆汁鬱滞型
    • 混合型

症状

発熱、発疹、皮膚掻痒感、全身倦怠、嘔気、黄疸等が初発症状となる。

病態生理

しばしば肝臓でチトクローム P450 による代謝産物が契機となる。

18.1 中毒性薬剤性肝障害

典拠:Diagnosis And Treatment In Gastroenterology [10, p.576] ,
典拠:NIM 消化器病学 4版 [60, p.494]

概念

P450 によって生じた薬物の代謝産物の直接作用によるものであり、投与から発病までの期間が短く、用量依存性である。
薬物の直接作用による肝障害であり、薬剤投与量が多いほど発症しやすい。抗生物質・塩化物・メトトレキセートなどの抗癌剤・アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤などが原因。特にアセトアミノフェンは飲酒によって重篤化しやすい。

原因

テトラサイクリン・アセトアミノフェン・メトトレキセートなどが原因薬剤として代表的である。

病理所見

  • 小葉中心性壊死
    P450 は zone 3 に多いため、中心静脈域を中心として壊死を来たす。

18.2 アレルギー性薬剤性肝障害

病態生理

薬剤の代謝産物が高分子化合物と結合することで抗原性を獲得し、それに対してアレルギー反応が起きる。

症状

発熱・発疹・黄疸などを呈する。

検査所見

  • 肝機能検査
    肝細胞障害型は AST、ALT が主として異常値を示し、ALP、LAP、 γ-GTP などの胆管系酵素は軽度上昇する。胆汁鬱滞滞型においては T-Bil、ALP、γ-GTP、T-chol などが強い異常値を示し、AST、ALT は軽度上昇する。
  • 末梢血液像
    好酸球増加が約半数に認められる。
  • 薬物感受性試験
    • リンパ球幼弱化試験
      ただし薬剤の代謝産物がハプテンとして血漿タンパクと結合することによって抗原性を獲得していることがあり、薬剤単体では再現されないこともある。

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