読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

medical praxis - web版 医学ノート - 国家試験対策

学問の上で大いに忌むべきは、したり止めたりである。したり止めたりであれば、ついに成就することはない。

スポンサードリンク

肝胆膵 19 肝膿瘍 liver abcess

スポンサードリンク

→ 肝胆膵系 目次

Chapter 19 肝膿瘍 liver abcess

典拠:NEW 外科学 2 版 [64, p.612]

種類

  • 化膿性肝膿瘍 pyogenic liver abcess
    細菌感染による肝膿瘍であり、大腸菌や緑膿菌などのグラム陰性桿菌が起炎菌であることが多い。多発性の膿瘍が特徴である。
  • アメーバ性肝膿瘍 amoebic liver abcess
    赤痢アメーバ感染による肝膿瘍であり、単発性の膿瘍病変が特徴である。

19.1 化膿性肝膿瘍,細菌性肝膿瘍 pyogenic liver abcess

典拠:Diagnosis And Treatment In Gastroenterology [10, p.509] ,
典拠:標準外科学 8 版 [84, p.599] ,
典拠:NEW 外科学 2 版 [64, p.612] ,
典拠:Essentials Radiologic Imaging. 7ed [11, p.516] ,
典拠:腹部画像診断学 1 版 [89, p.19]

概念

細菌感染による肝膿瘍であり、大腸菌や緑膿菌などのグラム陰性桿菌が起炎菌であることが多い。多発性の膿瘍が特徴である。

原因

  • 胆管炎
    経胆管性に感染が成立する。多発性で右葉に好発する。
  • 虫垂炎
    経門脈性に感染が成立する。抗生剤が普及した現在では減少傾向にある。
  • 肝外傷
  • 敗血症
    経動脈性に感染が成立する。

検査所見

  • 腹部 CT 所見
    境界明瞭で類円形の低吸収域が多発する。
  • 経皮経肝胆道造影
    多発する膿瘍に造影剤が貯留して梅花状を呈する。

治療

原因の除去は当然として、抗生剤投与とともにドレナージを行なう。

19.2 アメーバ性肝膿瘍 amoebic liver abcess

典拠:標準外科学 8 版 [84, p.599] ,
典拠:NEW 外科学 2 版 [64, p.614] ,
典拠:NIM 消化器病学 4 版 [60, p.547]

概念

赤痢アメーバ感染による肝膿瘍であり、化膿性肝膿瘍と異なり単発性の膿瘍病変が特徴である。

原因

熱帯地方などの流行地での感染のほか、日本では男性同性愛者のSTD として発症することが多い。

病態生理

大腸粘膜に侵入した原虫が経門脈的に肝臓に到達すると、そこでアメーバはタンパク分解酵素を分泌して肝実質を破壊して、膿瘍を形成する。

症状

症状は化膿性肝膿瘍と類似する。

  • 発熱
  • 右季肋部痛
  • 肝腫大

検査所見

  • 腹部 CT 所見
    孤立性の嚢胞が見られる。
  • 経皮経肝的穿刺
    anchovy sauce と形容される赤褐色の穿刺液が採取される。化膿性肝膿瘍と異なり、異臭がない。
  • 糞便検査
    便ヨード染色にて円形で黄色のアメーバ嚢子が確認される。

病理所見

  • anchovy sauce
    肉眼所見では腫瘍の内容は多量の壊死組織を含んで赤褐色を呈する。

治療

メトロニダゾールが第 1 選択であり、抵抗例に対してドレナージを行なう。

  • 薬物療法
    • メトロニダゾール metronidazole,flagyl
      細菌および原虫の DNA 合成を阻害する。

↑ トップページ → 肝胆膵系 目次