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medical praxis - web版 医学ノート - 国家試験対策

学問の上で大いに忌むべきは、したり止めたりである。したり止めたりであれば、ついに成就することはない。

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肝胆膵 20 肝寄生虫症

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→ 肝胆膵系 目次

Chapter 20 肝寄生虫症

典拠:NIM 消化器病学 4版 [60, p.549]

20.1 日本住血吸虫症 schistosoma japonicum

典拠:最新内科学大系:真菌・寄生虫感染症 [46, p.251] ,
典拠:標準感染症学 1 版 [61, p.281] ,
典拠:Manson: Tropical Disease. 20ed [3, p.1414] ,
典拠:エッセンシャル寄生虫病学 3版 [70, p.103]

概念

日本住血吸虫は門脈系に侵入し門脈圧亢進症をきたし、慢性化すると肝硬変に発展する。
日本では撲滅されたが、中国・フィリピンなどではいまなお流行が見られる。

生活史

  1. 終宿主の門脈系に寄生し、雌雄抱合したままに血管を流れ、細血管に おいて産卵する
  2. 周囲の組織の壊死とともに虫卵が腸管内に脱落し、糞便とともに外界に出る
  3. 水中で孵化し、中間宿主であるミヤイリガイに寄生してセルカリアに発育する
  4. 水中に遊出し、ヒトなどの中間宿主に経皮的に侵入する
  5. 門脈系に移行し、肝臓に寄生する

症状

  • 肝腫大

治療

プラジカンテルを投与する。

20.2 肝吸虫症 clonorchiasis

典拠:臨床寄生虫学 [72, p.115] ,
典拠:エッセンシャル寄生虫病学 3版 [70, p.114]

概念

淡水魚を生食することで感染し、胆管内に寄生する。

20.3 肝包虫症, 肝エキノコッカス症 echinococcossis of the liver, hydatid disease of the liver

典拠:標準外科学 8版 [84, p.600] ,
典拠:Diagnosis And Treatment In Gastroenterology [10, p.514] ,
典拠:NIM 消化器病学 4版 [60, p.555] ,
典拠:Essentia ls Radiologic Imaging. 7ed [11, p.517] ,
典拠:アトラス肝臓病 1版 [73, p.181]

概念

包条虫の幼虫が肝臓に寄生し、限局性嚢胞性病変を形成するものである。多包条虫 Echinococus multilocularis による多包虫症が北海道を中心に多い。

症状

肝腫大を呈するまで無症状に経過する。

検査所見

  • 腹部エコー所見
    石灰化陰影が粒状に認められる。
  • 腹部 X 線所見
    肝臓の部位に一致して卵殻状の石灰化が見られる。
  • 腹部 CT 所見
    嚢胞壁に石灰化が見られる点が特徴的である。
  • 末梢血所見
    • 好酸球増多

合併症

内容物が漏出するとアナフィラキシー・ショックとなる。肝臓から肺に浸潤したり、脳や腎臓に転移性の嚢胞を形成することもある。

治療

外科的切除以外に有効な治療法はない。

20.4 ワイル病, 黄疸出血性レプトスピラ症 leptospirosis, Weil

典拠:Medical Microbiology [9, p.295] ,
典拠:Diagnosis And Treatment In Gastroenterology [10, p.511] ,
典拠:NIM 消化器病学 4版 [60, p.560] ,
典拠:アトラス肝臓病 1 版 [73, p.167] ,
典拠:最新内科学大系:真菌・寄生虫感染症 [46, p.146] ,
典拠:熱帯医学 1 版 [22, p.355] ,
典拠:感染症病理アトラス 1 版 [77, p.76] ,
典拠:標準感染症学 1版 [61,p.279]

概念

Leptospira icterohemorrhagie による人畜共通感染症の急性伝染病であり、 傷口などを介して経皮感染する。

原因

多くはネズミなどの保有動物の尿によって汚染された水と接触することで感染する。農作業で感染しやすく、職業歴の聴取が不可欠である。

病態生理

病態の中心は毒素による血管内皮細胞の傷害である。

症状

潜伏期間は約 1 週間であり、黄疸・出血傾向・タンパク尿を三徴とする。

  • 腓腹筋痛
  • 眼球結膜の充血

検査所見

  • 肝機能異常
  • タンパク尿

合併症

  • 腎不全

治療

ストレプトマイシンやゲンタマイシンなどのアミノ配糖体系抗生剤が有効である。欧米ではβラクタム系が推奨されている。


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