medical praxis - web版 医学ノート - 国家試験対策

学問の上で大いに忌むべきは、したり止めたりである。したり止めたりであれば、ついに成就することはない。

スポンサードリンク

肝胆膵 25 肝臓に対する外科治療

スポンサードリンク

→ 肝胆膵系 目次

Chapter 25 肝臓に対する外科治療

典拠:標準外科学 8 版 [84, p.605]

種類

  • 肝切除術 hepatic resection
    • 肝部分切除術 limited resection
      単発性のガンで明らかなリンパ節転移や胆道・血管への浸潤を欠 くことが適応条件となる。
    • 区域切除
      • 左外側区域切除
    • 肝葉切除
      • 右葉切除
      • 左葉切除
  • 肝移植

25.1 肝切除術 hepatic resection,hepatectomy

典拠:標準外科学 8 版 [84, p.605] ,
典拠:NEW 外科学 2 版 [64, p.677]

概念

主な適応疾患としては肝細胞癌を始めとして、胆管細胞癌・肝血管腫などがある。 肝予備能が保たれていることが適応条件として重要である。肝予備能の検査には ICG 試験をはじめ凝固能や OGTT が利用される。
肝切除に関しては ICG 値が 40%以上では核出術のみ、30%以上で部分切除、20%以上で亜区域切除、10%以上で右 1 区域もしくは肝左葉切除、10%未満で複数の区域切除が可能とされる。

分類

  • 肝部分切除術 limited resection
    単発性のガンで明らかなリンパ節転移や胆道・血管への浸潤を欠くことが適応条件となる。
  • 区域切除 hepatic segmentectomy
    • 左外側区域切除
      肝鎌状間膜の左外側を切除する。
  • 肝葉切除
    • 右葉切除
    • 肝左葉切除
      ICG 値が 20%以上の場合には適応除外となる。

25.2 門脈減圧術

典拠:標準外科学 8 版 [84, p.668]

概念

種類

  • 門脈-下大静脈端側吻合術 end to side portacaval shunt
    門脈本幹を下大静脈に端側吻合するので門脈圧の減圧は著しいが、門脈中の中間代謝物が肝臓で処理されずに大循環系に流入するため、肝性脳症を生じやすい。
  • 選択的シャント術, 選択的門脈減圧術
    門脈幹血流量を維持したまま食道および胃上部の血圧のみを選択的に減圧するもの。
    • 遠位脾腎静脈吻合術 distal splenorenal shunt,DSRS
      脾臓からの血流を左腎静脈に流すため、肝性脳症は少ない。

25.3 肝臓移植, 肝移植 liver transplantation

典拠:標準外科学 8 版 [84, p.243] ,
典拠:Diagnosis And Treatment In Gastroenterology [10, p.707] ,
典拠:NEW 外科学 2 版 [64, p.709]

適応

不可逆的進行性の肝疾患で、内科的にも外科的にも治療法がなく、肝臓移植に耐えることのできる状態にある場合に適応となる。

  • 肝硬変
    壊死後性、アルコール性、原発性胆汁性などの肝硬変。
  • 先天性胆道閉鎖症 III 型
  • 硬化性胆管炎
  • 原発性肝ガン
    予後不良因子や手術に耐えられない合併症の存在は適応除外となる。
  • 敗血症
  • 転移性肝胆道系悪性腫瘍
  • AIDS

手技

臓器移植中でもっとも難しい。

  • 同所性移植
    肝動脈、門脈、上下大静脈、胆管のすべてを吻合する。
  • 部分肝移植
    小児の場合に成人肝の左葉のみを移植する。

25.4 肝破裂, 肝損傷 hepatic injury

典拠:標準外科学 8 版 [84, p.598] ,
典拠:NEW 外科学 2 版 [64, p.611] ,
典拠:Essentials Radiologic Imaging.7ed [11, p.520]

概念

肝臓は腹腔内臓器において脾臓に続いて外傷により損傷を受けやすい臓器である。しばしば受傷後数日を経て出血性ショックが出現する。

分類

  • 被膜下血腫 subcapsular hematoma
  • 中心性肝破裂 central rupture
    肝臓に断裂はないので腹腔内出血をきたすことはない。ただ肝臓の内圧が上昇して腹痛が著明である。

症状

  • 出血性ショック
  • 腹膜刺激症状

検査所見

  • 選択的腹腔動脈造影
    出血部位を検索する。

治療

輸液・輸液でショックに対応しつつ、緊急開腹術にて肝損傷部の修復を行なう。ただし中心性肝破裂では原則として経過観察でよい。


↑ トップページ → 肝胆膵系 目次