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medical praxis - web版 医学ノート - 国家試験対策

学問の上で大いに忌むべきは、したり止めたりである。したり止めたりであれば、ついに成就することはない。

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肝胆膵 39 正常膵

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→ 肝胆膵系 目次

Chapter 39 正常膵

典拠:基準組織学 [62, p.270] ,
典拠:カラーアトラス組織学 [29, p.75]

マクロ構造

膵臓は後腹膜臓器である。

  • 膵頭
  • 膵体
  • 膵尾
    主に内分泌機能を営む。

組織構造

  • 外分泌部
    終末部で消化液が作られ、介在部、導管を経て十二指腸へ注ぐ。
    • 分泌部
      消化酵素の分泌を担う。
      • 腺房細胞
        分泌物を産生する細胞であり、粗面小胞体が著しく発達して いる。
    • 導管部
      分泌物の輸送だけではなく、水と重炭酸塩 HCO の分泌を行なう。
      • 腺房中心細胞 centroacinar cel
        介在部の細胞が終末部に一部入り込んだもので、ここで水と 重炭酸塩 HCO の分泌を行なう。
  • 内分泌部 (ランゲルハンス島)
    膵臓内の特に膵尾に散在する、内分泌腺細胞の小集団をいう。その主要な役割は、血中の血糖値の調整にある。
    • α細胞
      グルカゴン glucagon を生成する。
    • β細胞
      インシュリン insulin を生成する。
    • δ細胞
      ソマトスタチン somatostatin を分泌する。ソマトスタチンはグルカゴンやインシュリンの分泌を抑制する

機能

  • 外分泌
    消化液である膵液を血中に分泌する
    • トリプシン
    • Pancreatic amylase
    • protease
    • pancreatic lipase
  • 内分泌
    ランゲルハンス島にてグルカゴンとインシュリンなどのホルモンを分泌する。

39.1 正常膵の解剖

典拠:標準外科学 8版 [84, p.631] ,
典拠:NEW 外科学 2版 [64, p.601]

概念

L1 と L2 の高さで、胃の背面を横に走り、後腹壁に接着する。

  • 膵頭
  • 膵体
  • 膵尾
    主に内分泌機能を営む。

脈管

  • 動脈 膵頭部は胃十二指腸動脈および上腸間膜動脈から、膵尾部は腹腔動脈・ 上腸間膜動脈・総肝動脈などから栄養される。
  • 静脈

39.1.1 膵管 pancreatic duct

典拠:標準外科学 8 版 [84, p.631]

概念

十二指腸に注ぐ。

分類

  • 主膵管 duct of Wirsung
    膵臓の導管の主管であり、終りは総胆管と合して大十二指腸乳頭に開く。
  • 副膵管,Santorini 管
    しばしば独立して小十二指腸乳頭に開く。

39.2 膵液 pancreatic juice

種類

  • タンパク分解酵素
    • トリプシノーゲン
    • キモトリプシノーゲン
      トリプシンから活性化される。
    • エラスターゼ
      トリプシンから活性化される。
  • 脂肪分解酵素
    • リパーゼ
  • 糖類分解酵素
    • αアミラーゼ

膵液の制御

  • 膵液の分泌制御
    膵液の分泌は十二指腸から分泌されるコレシストキニンとセクレチンによって制御されている。
    • CCK-PZ は腺房細胞に作用して、消化酵素の分泌を促進する
    • セクレチンは腺房中心細胞に作用して、重炭酸イオンの分泌を促進する
  • 膵液の活性制御
    多くの消化酵素は不活性型で分泌され、十二指腸から分泌されるエンテロキナーゼなどによって活性化される。また Vater乳頭にあるオッデイ括約筋がエンテロキナーゼが膵管内に逆流しないように働いている。

39.2.1 膵臓の消化酵素

典拠:Stryer [32, p.224]

消化酵素の種類

  • トリプシン trypsin
    Lys とArg 残基のカルボキシル基側のペプチド結合を切断するタンパク分解酵素である。もともと膵液中のトリプシノーゲンが十二指腸粘膜から分泌されたエンテロキナーゼによって活性化されたものであり、トリプシンが他のすべてのチモーゲンを活性化するので、膵酵素活性化の鍵反応となる。
  • キモトリプシン chymotrypsin
    セリンプロテアーゼの一種。膵臓中にキモトリプシノーゲンという前駆体として存在し、小腸に分泌される。そこでトリプシンおよびキモトリプシン自身による分解を受けてキモトリプシンとなる。分子量 25,310 等電点 約 8。Phe, Tyr および Trp 残基のカルボキシル基側のペプチド結合を切断する。
  • 膵臓リパーゼ pancreatic lipase
    中性脂肪を分解する酵素であり、中性脂肪は 1 位と 3 位のエステル結合を切断されて、脂肪酸と 2-モノグリセリドとなる。
  • エラスターゼ elastase
    エラスチンを加水分解するセリンプロテアーゼ。肺の基質はコラーゲンとエラスチンであるから、喫煙などでエラスターゼ活性が高まると肺胞壁を破壊して肺気腫を招く。

分泌の調節

  • コレシストキニン, パンクレオザイミン pancreozymin
    終末部からの消化酵素の分泌を促進する。
  • セクレチン secretin
    介在部からの重炭酸イオンおよび水の分泌を促進する。
  • 副交感神経

トリプシン trypsin

概念

Lys と Arg 残基のカルボキシル基側のペプチド結合を切断するタンパク分解酵素である。もともと膵液中のトリプシノーゲンが十二指腸粘膜から分泌されたエンテロキナーゼによって活性化されたものであり、トリプシンが 他のすべてのチモーゲンを活性化するので、膵酵素活性化の鍵反応となる。 牛のトリプシンは分子量 23,300 等電点 10 である。

膵臓の消化酵素の活性化

典拠:Harper [28, p.101,p.637]

膵臓の消化酵素であるトリプシン、キモトリプシン、エラスターゼはみな不活性型の消化酵素 zymogen として十二指腸に分泌される。

トリプシノーゲンの活性化はエンテロキナーゼ enterokinase による

エンテロキナーゼは小腸上皮細胞から分泌され、トリプシノーゲンのリジン部分を加水分解してトリプシンとなす。

39.3 膵外分泌機能の検査

典拠:NIM 消化器病学 4版 [60, p.632]

概念

慢性膵炎やガストリノーマの診断に利用される。

種類

  • PS 試験 (膵直接刺激法) あるいはセクレチン試験
    PS 試験では CCK-PZ とセクレチンを併用投与し、セクレチン試験ではセクレチンのみを投与して膵臓の外分泌能を調べる。その際の判定 因子としては、
    • 膵液の液量
    • 酵素量
    • 重炭酸塩濃度
  • PFD 試験, BT-PABA 試験
    BT-PABA を経口投与すると膵液中のキモトリプシンによってパラアミノ安息香酸 PABA に変換されて小腸から吸収される。その後は代謝されることなく腎臓から排出されるため、尿中での PABA の排泄率を測定することによって膵臓の外分泌機能をはかることができる。

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