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肝胆膵 7 肝臓の診断学

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→ 肝胆膵系 目次

Chapter 7 肝臓の診断学

7.1 肝臓の主要症候

種類

  • 肝腫大
  • 脾腫
    • 巨大脾腫
  • 肝脾腫
    若年性関節リウマチ・伝染性単核球症・リピドーシス・腸チフス・熱 帯熱マラリア・原発性マクログロブリン血症など見られる。

7.2 肝機能検査

典拠:ハリソン内科学 [5, p.1315]

酵素

  • 逸脱酵素
    もともと肝細胞に多く含まれるような酵素は肝細胞の壊死とともに血中に漏出する。
    • AST aspartic aminotransferase (GOT glutamic oxaloacetic transaminase)
      肝細胞と心筋細胞に多く含まれ、アミノ酸と糖代謝を架橋する。 正常値は 42 U/L 以下。
    • ALT alanine aminotransferase (GPT glutamic pyruvate transaminase)
      肝細胞に特異的に存在し、アミノ酸と糖代謝を架橋する。正常値は 48 U/L 以下。
    • LDH
      特に LDH-5 が肝細胞に多く含まれている。
  • コリンエステラーゼ ChE
    慢性肝疾患、特に肝硬変において顕著に低下する。脂肪肝で高値となる。
  • 胆道系酵素
    ALP と LAP とγ-GTP が平行して上昇すれば肝胆道系の異常を意味する。逸脱するのみならず酵素活性が上昇することで検査値が上昇する。
    • γ-GTP γ-glutamyltranspeptidase
      胆汁の鬱滞に応じて上昇するが、肝細胞障害ではさほど上昇しない。抗痙攣剤や飲酒などの誘導で上昇する性質を持つ。
    • ALP アルカリホスファターゼ
      胆汁の鬱滞に応じて上昇するが、肝細胞障害ではさほど上昇しな い。細胞膜に局在する酵素であって逸脱酵素ではなく、細胞での産生亢進が血清 ALP の上昇につながる。
    • LAP
      胆道系の逸脱酵素。ALP と LAP とγ-GTP が平行して上昇すれば肝胆道系の異常を意味する。

色素排泄試験

  • ICG 試験
    indocyanine green を用いて、手術前に肝の予備能を調べる際に利用する。 静注された ICG は肝細胞に摂取されて、抱合を受けることなく胆汁中に排泄される。したがって ICG 投与後に血中の残存量を測定することで肝血流量や肝細胞の色素摂取量、排泄能を知ることができる。主に15分停滞率が利用され、停滞率が高いほど不良である。
  • BSP 試験
    BSP は血中でアルブミンと結合して肝臓に輸送され、そこでグルクロン酸抱合を受けて胆汁中に排泄される。したがって排泄速度の低下は肝機能の低下を示唆する。血管炎やショックなどの副作用を生じることがあるので最近はあまり利用されない。

アシアロシンチ asialo scintigraphy

肝臓特異的なアシアロ糖受容体に RI が結合する性質を利用する検査であ り、肝細胞の数から肝臓の代謝機能を推測する。

  • HH15
 {
HH15=\frac{H15}{H0}
}

基準は 0.6 である。

  • LHL15
 {
LHL15=\frac{L15-H15}{L15}
}

基準は 0.9 となる。

ビリルビン代謝検査

  • 血清ビリルビン値
  • 尿ビリルビン値
  • 尿中ウロビリノーゲン

血漿タンパク

  • アルブミン
    慢性肝疾患ではアルブミン合成が滞る。
  • グロブリン
    慢性肝疾患ではγグロブリンが多クローン性に増加する。
  • 膠質反応 colloid reaction
    血清に重金属や有機酸を添加することで生じる混濁反応。アルブミンや胆汁酸で抑制され、γ-グロブリンで促進される。
    • 硫酸亜鉛混濁試験 ZTT (zinc sulfate turbidity test)
      γグロブリンの上昇と相関する。なかでも IgG と IgM によって混 濁が促進される。急性肝炎ではあまり高くならないが、肝硬変で は著明に高値を示す。
    • チモール混濁試験 TTT (thymol turbidity test)
      βグロブリンおよびγグロブリンの上昇と相関する。なかでもIgM は特に反応を促進する。

凝固能検査

  • PT
    特に劇症肝炎で著明に延長する。
  • HPT

7.3 肝臓の画像検査

7.3.1 肝臓エコー

概念

肝臓のエコーで見える脈管は門脈と肝静脈のみで、肝動脈はドップラーを 用いなければほとんど見えない。


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