medical praxis - web版 医学ノート - 国家試験対策

学問の上で大いに忌むべきは、したり止めたりである。したり止めたりであれば、ついに成就することはない。

スポンサードリンク

血液学 23 骨髄線維症 myelofibrosis with myeloid metaplasia

スポンサードリンク

→ 血液学 目次

Chapter 23 骨髄線維症 myelofibrosis with myeloid metaplasia, agnogenic myeloid metaplasia,MMM

典拠:ConcisePathology [13, p.421] ,
典拠:NIM 血液病学 4 版 [48, p.162] ,
典拠:医学生・研修医のための血液病学 [45, p.117] ,
典拠:三輪 - 血液病学 2版 [50, p.1043] ,
典拠:エッセンシャル血液病学 5 版 [54, p.143] ,
典拠:最新内科学大全:白血病 [34, p.295] ,
典拠:血液細胞アトラス 4 版 [65, p.109]

概念

骨髄に広範な線維化をきたす疾患の総称であり、骨髄造血幹細胞の異常増殖を契機に、正常な線維芽細胞が活性化されて線維化を来たす。さらに線維化した骨髄に代わって肝臓や脾臓で造血が行われる髄外造血によって病態が形成される。 臨床上は、本症と同じく骨髄の線維化を来たす慢性骨髄性白血病および癌の骨髄転移を除外診断することが重要となる。

分類

  • 特発性骨髄線維症, 原発性骨髄線維症
    骨髄造血幹細胞がクローン性に増殖することで、骨髄組織の広範かつ高度な線維化と髄外造血を起こす疾患である。
  • 二次性
    悪性リンパ腫・多発性骨髄腫・真性多血症などの基礎疾患に基づくもの。
    • 急性巨核芽球性白血病 AML-M7
      血小板由来増殖因子 platelet-derived growth factor の分泌が亢進し、線維芽細胞が刺激されるからである。

病態生理

  • 骨髄の線維化
    骨髄造血幹細胞の異常増殖を契機に、正常な線維芽細胞が活性化されて線維化を来たす。
  • 髄外造血
    線維化した骨髄に代わって肝臓や脾臓で造血が行われる。
    • 白赤芽球症 leukoerythroblastosis
      白血病ではないにもかからわず、未熟な顆粒球および赤芽球が抹消血に出現する現象をいう。網赤血球や涙滴赤血球 tear drop も見られる。骨髄が線維化するために脾臓で造血が盛んとなり、ここで涙滴赤血球が産生されるためである。

症状

  • 巨大脾腫
    髄外造血による巨大脾腫と肝臓の著しい肥大を認める。

検査所見

  • 末梢血所見
    • 汎血球減少 pancytopenia
      ただし血小板はしばしば増加する。また骨髄組織の崩壊に伴なって網赤血球が抹消血に流出することがある。
    • 白赤芽球症 leukoerythroblastosis 白血病ではないにもかからわず、血液所見として未熟な顆粒球および赤芽球が抹消血に出現する現象をいう。
    • 涙滴赤血球 tear drop
      骨髄が線維化するために脾臓で造血が盛んとなり、ここで涙滴赤血球が産生される。
  • 骨髄所見
    • dry tap
      骨髄穿刺にて吸引が十分にできない所見である。
  • アルカリホスファターゼ leukocyte alkaline phosphatase (LAP, NAP)の活性上昇
    慢性骨髄性白血病との鑑別点として重要である。
  • フェロキネティクス
    鉄の取り込みが脾臓と肝臓で顕著であり、仙骨部にはほとんど見られない。本症に特異的な所見である。

合併症

  • 白血病
    慢性骨髄性白血病ほどではないが、少なからず急性白血病に移行する。

病理所見

  • 末梢血所見
    涙滴赤血球 tear drop の出現が特徴的である。
  • 骨髄所見
    骨髄の広範な線維化が見られ、しばしば巨核球の増加が認められる。

治療

  • 摘脾
  • アンドロゲンの大量投与
    タンパク同化ステロイドであるアンドロゲンにはエリスロポエチン産生を増加させ、赤芽球系・顆粒系前駆細胞の増殖を刺激するなどの造血促進作用があるため。

23.1 特発性骨髄線維症, 原発性骨髄線維症 idiopathic myelofibrosis, IMF

典拠:最新内科学大全:白血病 [34, p.295] ,
典拠:Williams Hematology.5ed [6, p.331]

概念

骨髄造血幹細胞が単クローン性に増殖することで、骨髄組織の広範かつ高度な線維化と髄外造血を起こす疾患である。本症は真性多血症と極めて近縁の疾患であると考えられている。

原因

骨髄造血幹細胞が単クローン性に増殖する原因は今もって不明である。

病態生理

  • 骨髄の線維化
    骨髄造血幹細胞の異常増殖を契機に、正常な線維芽細胞が活性化されて線維化を来たす。
    • 髄外造血
      線維化した骨髄に代わって肝臓や脾臓で造血が行われる。
    • 白赤芽球症 leukoerythroblastosis
      白血病ではないにもかからわず、未熟な顆粒球および赤芽球が抹消血に出現する現象をいう。網赤血球や涙滴赤血球 tear drop も見られる。

症状

  • 巨大脾腫
    髄外造血による巨大脾腫と肝臓の著しい肥大を認める。

検査所見

  • 末梢血所見
    • 汎血球減少 pancytopenia
      ただし血小板はしばしば増加する。
    • 白赤芽球症 leukoerythroblastosis
      白血病ではないにもかからわず、血液所見として未熟な顆粒球および赤芽球が抹消血に出現する現象。
    • 涙滴赤血球 tear drop
      骨髄が線維化するために脾臓で造血が盛んとなり、ここで涙滴赤血球が産生される。
  • 骨髄所見
    • dry tap 骨髄穿刺にて吸引が十分にできない所見である。
    • 骨髄の広範な線維化が見られる
  • アルカリホスファターゼ leukocyte alkaline phosphatase (LAP, NAP)の活性上昇
    慢性骨髄性白血病との鑑別点として重要である。
  • フェロキネティクス
    鉄の取り込みが脾臓と肝臓で顕著であり、仙骨部にはほとんど見られ ない。本症に特異的な所見である。