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血液学 24 赤血球増加症, 多血症 polycythemia

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→ 血液学 目次

Chapter 24 赤血球増加症,多血症 polycythemia

典拠:Beck:Hematology [1, p.489] ,
典拠:Harrison11 [7, p.148] ,
典拠:ConcisePathology [13, p.405] ,
典拠:エッセンシャル血液病学 5 版 [54, p.74] ,
典拠:Williams Hematology.5ed [6, p.445]

概念

抹消血中の赤血球濃度が増加すること。末梢血ヘモグロビン濃度が 18[g/dl]以上となる。

分類

  • 絶対的赤血球増加症 absolute polycythemia
    血中の赤血球体積が増加したもの。造血幹細胞のクローン性増殖による真性多血症と反応性に赤血球産生が亢進した二次性多血症に分類される。
    • 原発性絶対的赤血球増加症, 真性多血症 primary polycythemial, polycythemia vera 悪性新生物もしくは自己免疫的機序で赤血球産生が亢進したもの。血中エリスロポエチン濃度が低下する。
    • 続発性絶対的赤血球増加症, 二次性多血症 secondary absolute polycythemia 慢性的な低酸素血症によるエリスロポエチン産生亢進に起因する。 血中エリスロポエチン濃度が上昇する点が、原発性との鑑別点となる。
  • 相対的赤血球増加症 relative polycythemia
    血漿量が減少したために相対的に血中の赤血球の割合が高くなるもの。

症状

  • チアノーゼ

24.1 真性赤血球増加症,真性多血症 polycythemia vera, primary polycythemia, PV

典拠:Beck:Hematology [1, p.501] ,
典拠:ConcisePathology [13, p.405] ,
典拠:医学生・研修医のための血液病学 [45, p.118] ,
典拠:エッセンシャル血液病学 5 版 [54, p.75]

概念

造血幹細胞のクローン性異常により赤血球産生が亢進した疾患である。中高年に起こる骨髄増殖症候群の 1 つであり、循環赤血球の増加、白血球および血小板の増加や脾腫を伴う。

病態生理

その本態は幹細胞腫瘍であり、赤血球系のみならず、顆粒球系や巨核球系細胞も増加する。そのため急性骨髄性白血病や骨髄線維症などに移行するこ とがある。

症状

主な自覚症状は循環血液量の増加と血液粘稠度の亢進による。

  • 顔面紅潮や皮膚のかゆみ
  • 出血傾向
  • 脾腫
  • チアノーゼ
    *赤血球が増加するので全体としては還元ヘモグロビン量も増加する。

検査所見

  • 検血所見
    赤血球をはじめとして白血球や血小板までも増加する。
  • 血清エリスロポエチン低値
    自律的な赤血球産生亢進に対する代償反応である。
  • masked PV
    赤血球の増殖があるにもかからわず、鉄欠乏のためにヘモグロビンの増加が鈍り、ヘモグロビン値が正常あるいは低値を示すこと。
  • 好中球アルカリホスファターゼ NAP 活性上昇
    二次性との鑑別に有効である。
  • 骨髄シンチグラフィー
    全身骨への RI の集積が見られる。

合併症

  • 血栓症
    • 脳血栓症
    • 心筋梗塞
  • 消化性潰瘍
    慢性出血によってそもそもの赤血球増加が修飾されてしまうことがある。
  • 肺塞栓症
  • 骨髄線維症

治療

  • 対症療法
    血球数のコントロールならびに血栓症の予防を行なう。
  • 骨髄移植

24.2 続発性絶対的赤血球増加症, 二次性多血症 secondary absolute polycythemia

典拠:Beck:Hematology [1, p.496] ,
典拠:エッセンシャル血液病学 5 版 [54, p.77]

概念

末梢血赤血球の絶対的な増加が赤血球系前駆細胞の自律性増殖によるものではなく、他の疾患や環境要因などによって反応性におこっている病態の総称である。慢性的な低酸素血症や腫瘍によるエリスロポエチン産生亢進に起因することが多い。したがって血中エリスロポエチン濃度が上昇する点が、原発性との鑑別点となる。
なお本症は慢性骨髄増殖疾患のひとつではない。

原因

  • 低酸素血症
    • 慢性呼吸器疾患
    • チアノーゼ性心疾患
    • ヘモグロビン異常症
  • エリスロポエチン産生亢進
    • 腎細胞癌

検査所見

特に原発性絶対的赤血球増加症との鑑別が重要である。

  • 血中エリスロポエチン濃度高値
    真性赤血球増加症との鑑別に有効である。
  • 動脈血酸素飽和度低値

治療

低酸素に基づくものはその病態の改善を、エリスロポエチン産生腫瘍が原因であるものは腫瘍の摘出を行なう。

24.3 ストレス赤血球増加症,ストレス多血症 stress polycythemia

典拠:エッセンシャル血液病学 5 版 [54, p.78]


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