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medical praxis - web版 医学ノート - 国家試験対策

学問の上で大いに忌むべきは、したり止めたりである。したり止めたりであれば、ついに成就することはない。

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血液学 7 赤血球 erythrocyte

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→ 血液学 目次

Chapter 7 赤血球 erythrocyte

7.1 赤血球の構造

典拠:Harper [27, p.733] ,
典拠:Stryer [30, p.282]

概念

細胞小器官をほとんど有しない。核・ミトコンドリア・リソゾーム・ゴルジ装置などは赤血球には存在しない。したがって赤血球は細胞分裂・タンパク合成・酸化的リン酸化のいずれも行えない。ATP合成は解糖系に依存している。

赤血球膜

特にグルコースの透過性が高い。これは膜上にグルコース輸送タンパクを 有しているからである。

  • グリコホリン A (glycophorin A)
    1 本のポリペプチド鎖で、16 個のオリゴ糖が付加している。influenza virus や plasmodium falciparumに対する結合部位を持つ。
    • 膜外
      アミノ末端側でオリゴ糖が多数付加している。これら糖質中には 親水性の高い陰イオンがあり、これゆえに赤血球は陰性に荷電することになる。そのため、赤血球はほかの細胞や血管壁に付着することなく血流内を循環できる。
    • 膜貫通部分
      疎水基が多数集まってαヘリックスを形成する。
    • 膜内
      カルボキシル末端側で極性の側鎖を多数持ち、スペクトリンに接着する。
  • スペクトリン spectrin
    細胞膜の下に広がる膜骨格を形成する主成分である。これによって赤血球膜の安定性が確保される。
  • アンキリン ankyrin
    HCO- と Cl- の交換を行う陰イオンチャネルとスペクトリンを連結 している。
  • アクチン actin
  • protein 4.1

7.2 赤血球の代謝系

典拠:Beck:Hematology [1, p.283] ,
典拠:三輪 - 血液病学 2版 [50, p.138] ,
典拠:Harrison13 [8, p.1720]

解糖系

赤血球はもっぱらグルコースをエネルギー源とするが、そのうち 9 割が解糖系で処理されて ATP を産生する。

  • pyruvate kinase
  • lactate dehydrogenase , LDH
    LDH はピルビン酸を乳酸へと還元し、NADH を NAD に酸化する。

なお生成された ATP の多くが Na+-K+ pump を回転するのに用いられる。

ペントースリン酸回路

NADPH の産生、核酸合成の材料となるリボースの産生などを行う。特に赤血球では生じた NADPH を用いてグルタチオン GSH を生成し (グルタチオン代謝系)、過酸化物を還元する。

ヌクレオチド合成や核酸合成のために rebose 残基を生成する

メトヘモグロビン還元系

  1. cytochrome b5 を用いて Hb を還元する
    Hb − Fe3+ + Cytb5red− > Hb − Fe2+ + Cytb5ox

  2. 酸化された Cyt を NADH を用いて還元する。
    Cytb5ox + NADH − > Cytb5red + NAD
    このとき NADH は解糖系から供給されるので、この系が働くときは lactate が産生されない。

核酸・ヌクレオチド代謝系


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