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血液学 Part V 白血病 leukemia

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→ 血液学 目次

Part V 白血病 leukemia

典拠:Beck: Hematology [1, p.399] ,
典拠:Concise Pathology [13, p.411] ,
典拠:エッセンシャル血液病学 5 版 [54, p.104] ,
典拠:病理学 [42, p.465]

白血病の概念

白血病とは「白血球の自律的な増殖」である。しばしば未熟であるため白血球としての機能を全うしない。
骨髄中の造血幹細胞よりまず、骨髄系細胞とリンパ系細胞が分化し、前者からは赤血球、好中球、好酸球、好塩基球、単球、巨核球が作られ、巨核球の胞体がちぎれて血小板が作られる。後者からは T細胞、B細胞が作られ、B細胞は分化して形質細胞となる。
白血病はこれら造血系細胞が骨髄の中で腫瘍化したものと定義される。腫瘍化はともに造血幹細胞レベルでおこっていると考えられているが、分化のある一定の段階で分化・成熟能を失い、それより上流の細胞のみで腫瘍を構成している場合と、生体の調節能から逸脱し自律性増殖を示すという点で確かに腫瘍であっても、分化・成熟能を保持している場合がある。前者は急性白血病、後者は慢性骨髄性白血病や MDS である。

分類

  • 分化の度合いによって
    • 急性白血病
      分化のある一定の段階で分化・成熟能を失い、そうした未分化な 段階の造血幹細胞が自律的に増殖したもの。FAB 分類では、骨髄中の芽球である白血病細胞が 30%以上の場合をいう。急激に発症し、放っておくと死に至るが、治療すれば回復するケースが多い。
      • 急性骨髄性白血病 AML
        骨髄では大きな芽球がびまん性に増殖する。芽球はしばしばアウエル小体を持つ。抹消血では白血病裂孔 leukemic hiatus が見られる。
      • 急性リンパ性白血病 ALL
        骨髄には小型で細胞質の乏しい芽球がびまん性に浸潤し、脂肪細胞も排除される。
      • ANLL,acute nonlymphocytic leukemia
    • 慢性白血病
      生体の調節能から逸脱し自律性増殖を示すという点で確かに腫瘍であっても、分化・成熟能を保持している。これゆえに慢性白血病では各成熟段階の白血球がピラミッド型に見られる。
      • 慢性骨髄性白血病
        骨髄では顆粒球系の増殖が主体 (特に好塩基球が増大する) であり、抹消血にも各分化過程の顆粒球細胞が増加する。
      • 慢性リンパ性白血病
        軽度の異型を示すが、比較的成熟したリンパ球が増生する。
  • 由来によって
    • 骨髄性白血病 myelocytic
      顆粒系の分化増殖の異常に起因するもの。
    • リンパ性白血病 lymphocytic
      リンパ球の分化増殖の異常に起因するもの。
    • 単球系 monocytic

白血病細胞の病型分類における検査法

  • ペルオキシダーゼ反応
    ペルオキシダーゼ反応は顆粒球系細胞で陽性になり、リンパ球および単球系で陰性になる。このため骨髄性白血病とリンパ球性白血病の鑑別に利用される。
  • 好中球アルカリホスファターゼ LAP,NAP
    慢性骨髄性白血病や発作性夜間ヘモグロビン尿症で低下する。真性赤血球増加症および骨髄線維症では上昇する。
  • 表面マーカー
  • エステラーゼ esterase
    特異的エステラーゼ染色は顆粒球系で陽性となり、非特異的エステラー ゼは単球系で陽性となる。

原因

  • 染色体転座
    • フィラデルフィア染色体
      CML および ALL で見られる。
  • 発ガン遺伝子
    • AML の ras 遺伝子
  • 遺伝性
  • 染色体異常
    • 染色体の数的異常
      ダウン症候群やクラインフェルター症候群で白血病がしばしば合併する。
    • 染色体の構造異常
      染色体の脆弱性を持つ Fanconi貧血。
  • 免疫不全
  • 慢性骨髄性機能不全
  • 環境因子として
    • 放射線
      CLL だけが放射線に無関係な白血病。
    • 化学物質
      特に抗癌剤治療後の二次性白血病。
    • ウイルス
      HTLV-1 による ATL など。

V 白血病 leukemia

20 急性白血病 acute leukemia
 20.1 急性骨髄性白血病 acute myelogenous leukemia,AML
  20.1.1 急性前骨髄球性白血病 acute promyelocytic leukemia,AML-M3
  20.1.2 急性骨髄単球性白血病 acute myelomonocytic leukemia,AML-M4
  20.1.3 急性単球性白血病 AML-M5
  20.1.4 急性巨核芽球性白血病 acute megakaryoblastic leukemia,AML-M7
  20.1.5 AML の化学療法
 20.2 急性リンパ性白血病 acute lymphocytic leukemia , ALL
  20.2.1 急性リンパ性白血病の分類
 20.3 mixed leukemia
21 慢性白血病 chronic leukemia
 21.1 慢性骨髄性白血病 chronic myelogenous leukemia , CML
 21.2 慢性リンパ性白血病 chronic lymphocytic leukemia, CLL
  21.2.1 B細胞性慢性リンパ性白血病 B-CLL
  21.2.2 有毛細胞白血病 hairy cell leukemia, HCL
  21.2.3 成人T細胞白血病 adult T-cell leukemia, ATL
22 小児の白血病


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